右頭頂後頭葉脳炎による不思議の国のアリス症候群(J Clin Neurosci. 2025;141:111574)
不思議の国のアリス症候群は、知覚の歪み、身体感覚の異常、時間感覚の歪み、視覚障害などの特徴を持つ症候群です。この症候群は片頭痛や脳炎、変性疾患などに伴い発症するとされています。主に小児での報告例が多い中、本症例は高齢者における右頭頂後頭葉脳炎による発症という珍しいケースです。さらに、本例では半側空間無視も併発していた点が特筆すべき特徴でした。
非常に珍しい徴候ではありますが、認知症などとの鑑別も要する臨床的に重要な所見で、教育的な報告となりました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0967586825005478