視床前方梗塞後に生じた意味カテゴリー特異的障害(Cureus 18(1): e102437.)
視床前方梗塞後に生じた意味カテゴリー特異的障害がCureusに掲載されました。
視床病変は、多様な高次脳機能障害を引き起こすことが知られていますが、意味カテゴリーによって名詞理解や呼称に成績差が出る「意味カテゴリー特異的障害」との関連については、これまで十分に検討されてきませんでした。本症例は視床前方梗塞を呈し、名詞の理解および呼称課題において、意味カテゴリー特異的障害がみられました。さら非言語的意味判断課題においても、意味的に類似した選択肢の中から正答を選ぶ場面で困難を示し、意味情報間の競合を適切に調整する機能の障害が示唆されました。これらの所見から、本症例の障害は単なる語彙検索の問題にとどまらず、意味情報を統制・調整する意味制御機構の障害を反映している可能性が考えられました。本報告は、視床が大脳皮質に分散した意味ネットワークを統合・制御するうえで重要な役割を担うことを示す、臨床的に意義のある知見を提供するものです。