末期パーキンソン病患者のL-dopa誘因性の呼吸障害(Cureus. 2025;17(6): e85258.)
末期パーキンソン病患者において観察されたL-dopa誘発性の呼吸障害に対してロチゴチン投与によりコントロールが可能であった症例報告がCureus: Journal of Medical Science(IF=1.0)に掲載されました。
L-dopaはパーキンソン病治療の中核的な薬剤でありますが、その投与により、著明なジスキネジアと共に呼吸障害が出現する患者さんがいらっしゃいました。文献に基づくと、L-dopa誘因性の呼吸障害は、ドーパミン受容体過敏症、L-ドーパの治療濃度未満、およびジスキネジアといったメカニズムによって引き起こされる可能性が示唆されています。ロチゴチンはドパミンアゴニスト貼付剤で、持続的ドパミン受容体刺激(continuous dopaminergic stimulation:CDS)を達成できる薬剤で、血中濃度の変動を抑え、ジスキネジアの発現リスクが低い薬剤です。ロチゴチンを効果的に使うことにより、L-dopa誘因性の呼吸障害の治療を達成できたと結論付けました。
福井医療大学ではパーキンソン病の研究を積極的に行っております。こうした報告を通じて、パーキンソン病の研究の進展の一助になることを願っています。
https://www.cureus.com/articles/368968-rotigotine-patch-is-effective-for-levodopa-l-dopa-induced-dyspnea-a-case-report#!/