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研究成果

片麻痺歩行における足関節底屈筋の早発性活動発 生の誘因

本研究は、片麻痺歩行の主要な異常筋活動であるヒラメ筋の早発性活動(PPF)の誘因について新たな知見をJournal of Electromyography and Kinesiology誌(IF2.5)に発表しました。対象は脳卒中片麻痺者31例とし、歩行時の麻痺側下肢筋電図を測定しました。被験者を麻痺側の遊脚終期から荷重応答期のヒラメ筋の平均振幅を基準に大PPF群と小PPF群に分類し、ロジスティック回帰分析実行しました。大PPF群は小PPF群に比べ、遊脚期の前脛骨筋活動が低く、遊脚期の大腿直筋活動、早発期の大腿二頭筋および荷重応答期の大腿二頭筋活動が高値を示しました。ロジスティック回帰分析でPPFに関与する有意な変数として抽出されたものは早発期の大腿二頭筋活動でした。片麻痺歩行においてPPFは大腿二頭筋と共に低下した下肢伸展力を補填している可能性があり,PPFは異常筋活動ではあるものの歩行に必要な機能であることが示唆されました。

https://doi.org/10.1016/j.jelekin.2018.02.006